現在の組織は人材の流動化傾向もあり、共通の通過体験というものが非常に乏しい状態にあります。起業して間もない企業などでは、設立当初からのメンバーの強固な連帯感や一体感というのは、この共通の通過体験があるからです。

共通の通過体験とは、時間を共にする中で、同じ苦労や同じ喜びを分かち合った経験、体験を言います。

この共通の通過体験の中で、仕事上のことだけでなく互いに個と個の強固な関係性を築いてきたのです。

しかし、現代の社会構造や雇用形態、労働環境を見ても個と個の強固な関係性を築けるような状況にありません。こういったことが上司、部下の間でも起こっているのです。

 

上司は自分の部下のことをあまりよく知りません。

部下は自社の活動のどんなところに共鳴して仕事をしているのか?

部下のモチベーションの源泉はどこにあるのか?

思考や行動の特徴は何なのか?

実はあまり深く知らないのです。

なぜならば、今の上司の世代くらいまでは、同質化の中で育ってきた世代だからです。同じ労働価値観、同じ社会性、同じ対人性といった具合に。

 

ところが、今の若手は多様化の中で育っています。帰属意識の多様化、労働価値観の多様化、就業形態の多様化といったように。

 

一方、部下も上司のことを深く知ろうとしません。上司に興味を持とうとしません。

これでは組織力など発揮しようがないのです。指示をしても心に刺さりません。一枚岩の行動がとれないわけです。

 

そこでまずは、上司が部下のことをできる限り深く知る努力が必要です。そのための前提になるのが、前回お伝えした事前のサーベイです。

例えば、自社の社会貢献性がモチベーションになっている部下に、「このプロジェクトを完成させれば給料も上がるし、昇進(地位があがること)や昇格(等級があがること)があるからガンバレ」なんてことを言われると、本人にとっては逆にモチベションダウンです。

つまりこれは、上司の価値観であって部下の価値観ではないのです。

 

この様に、マネジメントは自身の価値観の押し付けではなく「呼応型」のマネジメントが求められています。「呼応型」とは決して迎合することではなく相手の特性に合わせてあげることです。このスタンスにならない限り、上司と部下の根本的な関係性を確立することは今の時代において不可能なのです。

 

この戦略マネジメント研修では、こういった「呼応型」のマネジメントスタンスに立ちながら、マネジメントの本質「部下育成」「部下支援」の具体的手法を身に付ける研修です。

「部下育成」→自身よりデキル部下を育てること

「部下支援」→部下が成果を残せるようにサポートすること

これに徹した研修と言えます。

 

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