営業研修はある意味、会社の営業方針を具体的に伝える手段として実施することが重要です。
そこで、営業方針の内容をみてみましょう。
・自社の営業ターゲットの定義(明文化)とリスト化
・攻略顧客と静観顧客区分
・3年後、2年後、1年後の市場におけるポジショニング
・売上目標規模、シェア
・営業活動の量と質の内容
・重点エリア 等
これらは全て営業方針の一部です。こういった方針がなく、ただ売上目標だけを設定してあとは営業任せという企業が多いのも事実です。ですから、営業研修も実施することが目的になってしまいます。
本来の研修の目的である “会社の業績向上に貢献できる人材の育成” にはどんな課題があり、その課題解決のための研修にするためには、方針が明確でなければならないのです。つまり研修の根本は、その営業組織をどんな姿にしたいのかという企業の考え方が明確でなければなりません。これが、事前に明確であるか否かで研修効果は大きく違ってきます。これらが営業研修のBeforeです。
もう一点、Afterも重要です。研修後の実践活動に向かわせる仕掛けです。
例えば戦略理論を学んだとしましょう。研修を受けて営業戦略を学んだだけでは、決して組織に定着はしません。研修後において、戦略構築にはどんなデータが必要で、いつそのデータを組織活動として収集し、そのデータを活用して自部門の営業部隊の戦略を策定し、そしていつその発表会を行うのか・・・
これらは、研修をただ単なる学びから実践行動に移すための仕掛けです。
この様に、営業研修は実施することが目的ではなく、現場実践させませんと意味がありません。ですから、研修設計の段階で研修後の実践活動も組み入れておく必要があります。
そしてこの考え方の根本は、営業方針の明確化にあります。
営業研修のBefore・Afterを意識してみてはいかがでしょうか。