営業研修は実施することが目的ではなく、結果を出すことが目的と言い続けてきました。ということは、何ら下準備もせずにコンテンツだけをもってきて、いきなり研修を実施しても効果は薄く、現場実践にはつながりにくいという事実があります。
営業研修は、会社の、営業部門全体の意思、方針を明確にしたうえで、その意思・方針を組織全体に周知徹底させ、現場で実践させていく手段として行うべきだと考えています。
そこで、会社、営業部門全体の意思、方針とはどういうことか・・・?
例えば、営業戦略を構築する上でターゲットの明確化ということは、避けて通れません。しかし、このターゲットが明確でないケースがほとんどです。
多くは、〇〇業種、売上規模△△・・・これでは、なんちゃってターゲットです。
これは、今までの流れのままで、あくまでもイメージレベルなのです。
ターゲットを明確にするということは、アプローチする先とそうでない先を分けるということ。
ターゲットを明確にするのには、明文化してみることです。そして、その明文化したとおりに絞り込んでゆけば、リストとして抽出できることが必須条件です。
ここまで具体化していないものは、ターゲットとは言いません。
ある食品製造機械があるとしましょう。
「ターゲットはどこですか?」とお聞きすると今までの納入先が頭に浮かび、それを明文化しようとすると言葉が見つからないという現象が出てきます。これは、今までターゲット化して営業してこなかった証です。
例えば、
・食品スーパーで
・20店以上の店舗があり
・年間売上50億以上
・関東1都3県内に本社のある企業
となれば、あらゆるデータからリスト化できます。
このターゲットが明確だから、営業戦略が構築できるわけです。
そのターゲット先に対して、取引のある先は何件あるのか?
取引のある先での自社の客内シェアは何%なのか?
競合はターゲット先に対してどれくらい取引があるのか?
こういったことが営業戦略を構築する過程で分析され、当然営業拠点ごとに状況が異なりますから、共通の戦略理論に則って営業拠点ごとに攻略すべきターゲットがあぶりだされてゆくのです。
営業戦略研修の実施において、会社、営業部門全体の意思、方針が事前に定まっていることが必須であることがお分かりいただけると思います。
こういった下準備なしに研修を実施しても、何ら結果が得られません。